前回の第一回では、ダーレーアラビアン系の7つの大系統が存在することを覚えました。
それは、ナスルーラー系、ノーザンダンサー系、ネイティヴダンサー系、ミスタープロスペクター系、ターントゥ系、サンデーサイレンス系、マイナー系でした。
この記事の目的は、何となく覚えいる血統の特徴を今回体系的にまとめることです。
それでは今回、大系統のうちの1つ、ノーザンダンサー系について分岐した小系統およびそれぞれの特徴について書いていきたいと思います。
目次
ノーザンダンサー系
現在ではこの系統の分岐規模が広範囲なので、ノーザンダンサーがどういった馬の特徴というよりかは、ノーザンダンサー系統の血を受け継いだ、各種牡馬の特徴から能力を知る方が分かりやすいです。
ノーザンダンサー系は米国型、欧州型の血統が世界的に波及しています。
(米国型、欧州型、日本型血統の違いや特徴については前回記事のおまけで書いてます)
それでは世界の競馬シーンで最も勢力が強いノーザンダンサー系統の血統について小系統に分けて書いていきます。
ニジンスキー系
欧州型の血統。
ノーザンダンサー最初の後継種牡馬。
ニジンスキーは英国クラシック三冠、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス優勝。
現在母父として存在感を示すが、直系は壊滅寸前である。
ニジンスキー系の特徴としては、スタミナや底力はあるが、スピードがやや劣る。
ヴァイスリージェント系
米国型の血統。
現在では産駒で北米での種牡馬として大成功を納めた、デピュティミニスター系と呼ばれることも多い。
日本でのリーディングサイヤー上位のクロフネ(父はデピュティミニスターの直仔フレンチデピュティ)もこのルーツである。
この血統の特徴としては、フレンチデピュティが誕生するまで、2歳戦から活躍できる早熟で、パワフルなスピードタイプ。米国血統らしく、ダートでの適性が強いと考えらていたが、フレンチデピュティの産駒は芝、ダート短距離、中距離両方で結果を残す万能的な馬を輩出している。
ヴァイスリージェント系、デピュティミニスター系ならダート向きスピード血統。
フレンチデピュティ系なら中長距離も走る、芝、ダートのオールラウンダーと考えてもいい。
リファール系
欧州型。
リファールはイギリス、アイルランド、フランスとヨーロッパでマイラーとして活躍して成功を納めた。
産駒は芝の短距離から長距離まで走った。
リファールはサンデーサイレンス系との相性が良く、芝のトップスピードを高めるのに欠かせない血になっている。
ノーザンテースト系
日本型。
サンデーサイレンスが登場するまで、日本の競馬シーンを支えた血統。
産駒の特徴として、ゴール前での勝負根性、瞬発力があり、芝とダート問わず活躍。
距離も短距離から長距離まで様々。
仕上がりも早く、使うと一転も二転も変化する、成長力もある。
直系はほとんど残っていないが、母の父や母系の父としての勢いはまだまだある。
ヌレイエフ系
後代によって系統は米国型、欧州型にさらに分岐する。
スピードに優れいて、短距離を得意とする。
現在ヌレイエフ系の直系は衰退しており、ピヴォタルが細々と血を残しているが、母の父として、芝ダート問わず産駒のスピード能力を高める特徴がある。
ダンチヒ系
米国型、欧州型と別れる。
Danzig、ダンチグとも呼ばれる。
米国型ダンチヒ系は
ダンチヒ
チーフズクラウン
ベラミーロード
アジュディケーティング
チーフベアハート
トビーズコーナー
とされている。
圧倒的なスピードを誇るのが特徴。
配合相手の長所を引き出す能力に優れている。
また、早い時期からの成長も促す。
欧州型ダンチヒ系は
グリーンデザート
デインヒル
ケープクロス
リダウツチョイス
シーザスターズ
ファストネットロック
ハービンジャー
ベーカバド
直系のデインヒルやハービンジャーのように、代を重ねた父系はマイラーだけでなく、力とスタミナを備えた万能型になっている。
リダウツチョイスはオーストラリアで血を広げているが、日本では母父として産駒に馬力のあるパワー強化を伝える。
ディープインパクトと母父デインヒルは1つのニックスになっている。
ストームバード系
米国型。
現在では直仔のストームキャット系と呼ばれることもある。
特徴としては、仕上がりが早く、短距離向きのスピードタイプを産駒に伝えてきたが、ストームキャットの直仔、ジャイアントコーズウェイの産駒は芝のマイルまで持つようになった。
ストームキャット系もディープインパクトとの相性は抜群でこれもデインヒルと同様、母父のクロスはニックス(黄金配合)になっている。
サドラーズウェルズ系
直仔の産駒は欧州において凱旋門賞馬、モンジューやアイルランド、英国ダービー制覇のガリレオなど名馬を数多く輩出した。
産駒の特徴としては、スタミナ豊富なステイヤー。天候不良、重馬場などタフな芝に力を発揮する。
サドラーズウェルズの直仔オペラハウス産駒も重馬場に強い血統として競馬ファンの認知として確立されている。
日本においては、オペラハウスがテイエムオペラオーを輩出したが、その直系は現在途絶えている。
サドラーズウェルズの孫にあたるフランケル(父ガリレオ)は日本でも安田記念を制したモズアスコット、オークス優勝のソウルスターリングがいるが、爆発的な血の拡散は日本の競馬においてまだない。
しかしG1馬を2頭輩出していることから、サドラーズウェルズの直仔であったガリレオよりも孫のフランケルに今後期待できるかもしれない。
まとめ
今回は現代の競馬界で一番勢力のある、ノーザンダンサー系について書きました。
血統は米国型、欧州型、日本型と小系によって違ってきます。
長距離スタミナ血統(欧州型)
・ニジンスキー系
・サドラーズウェルズ系
・デインヒル系
スピード、パワー血統(米国型)
・ストームバード系(ストームキャット含む)芝ダート含む短距離型。
・ダンチヒ系 ダート短距離型。
・ヴァイスリージェント系(フレンチデピュティ含む)ダートスピード型。
・ジャイアントコーズウェイ系 芝の中距離まで対応
・リファール系 芝の中距離まで対応
・クロフネ系 芝・ダート含むマイラー。
・ヌレイエフ系 ダートのマイラー。母父に入り馬力とスピードを供給する。
・ピヴォタル系 芝のスピードでマイラー。
成長力、瞬発力 (日本型)
・ノーザンテースト
オールラウンド型
・フレンチデピュティ(芝、ダート中距離まで対応)
以上、まとめてみました。
次回はナスルーラ系あたりを覚えていきたいと思います。
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