血統ざっくり一口メモ

一口の予定馬リストから出てきた主な血統を調べ、メモとして特徴をざっくり残します。

予定馬リストの父の種牡馬だけでなく、母系の血統を知ることは重要です。

また血統をもっと体系的に書けるように更新を予定。追記:血統覚えるためにこちらにまとめました。

血統には米国型、欧州型、日本型がある。

米国型はスピード、欧州型はスタミナ、日本型は瞬発力を馬に強く影響を与えると考えられている。

ちなみに、瞬発力は最後の直線などの勝負根性に影響する。

血統は連綿と受け継げられているため、この馬は何系の血を持っているなど、系統だって語られることが多い。

サンデーサイレンス系

日本型と呼ばれる血統。

スピードと瞬発力をもたらす。

サンデーサイレンスにはTサンデー系、Pサンデー系、Dサンデー系がある。

Tサンデー系はステイヤー適性、Pサンデー系はマイラー適性、Dサンデー系はダート適性である。

ディープインパクトやハーツクライはTサンデー系

アグネスタキオンはPサンデー系

ゴールドアリュールはDサンデー系

仔はこれら3つの系統に別れる。

日本競馬はサンデーサイレンス系の血が最も成功している。

ミスタープロスペクター系

大系統の1つ。

米国型のスピードでマイラー。

基本はダート血統だが、母の配合によっては芝適性もいける。

早熟性だが、この血統は日本の競馬には合わないと思われていた。

枝分かれされた血統でフォーティナイナー系とキングマンボ系が代表。

フォーティナイナー系

米国型と呼ばれる血統。

スプリント、ダートに強い。

スプリント系に限定すればサンデーサイレンス系をも凌ぐパワー型。

アドマイヤムーンはサンデーサイレンス系の血が入っているので例外。

ほとんどのミスタープロスペクター系統の馬はこちら。

エンドスウィープ系

米国型。

父はフォーティナイナー。

産駒に伝える基本能力は父フォーティナイナーと変わらないが、母父になると芝の中距離を走る産駒もいる。

全体的にダートの勝ち上がり率が高いが、芝の重賞勝ちも多い。

直子であるスウェプトオーヴァーボード産駒は母系によって芝短距離、プリサイスエンドはダートの産駒を中心に出す。

キングマンボ系

欧州型と呼ばれる血統。

芝、ダート兼用の万能馬が多い。

マイル中心だが、守備範囲は幅広く、配合によっては長距離の適性もある。

ミスワキ系もキングマンボ系と同じ特性を持つ。

サンデーサイレンス系のディープインパクトに継ぐ、リーディングサイヤー2位のキングカメハメハもこの系統。

サンデーサイレンス系と配合できる、数少ない優秀血統。

一口でも必然と値段が高くなる。

ロベルト系

欧州型。

とにかく馬力とスタミナとパワーに優れている。

スピードに関してはあまり評価はない。

サドラーズウェルズ系

欧州型。

スタミナと馬力が豊富。

スピードの絶対値が少ない。

しかし、重馬場で台頭すると考えられている。

ノーザンダンサー系

大系統の1つ。

現在では米国型、欧州型へ波及している。

ノーザンダンサーそのものの能力より、ノーザンダンサー系統の血を受け継いだ、各種牡馬の特徴から能力を知る方が分かりやすい。

ヌレイエフ系

米国型、欧州型を併せ持った血統。

後代によって系統は米国型、欧州型にさらに分岐する。

ルーツはノーザンダンサー系である。

短距離とダートに優れている。

母の父としての影響力がある。

父系にはあまり特徴を残せていない。

母の父として、孫のピヴォタルに注目。

ピヴォタルは仕上がりの速さと芝へのスピード適性を仔に伝えている。

ヴァイスリーエージェント系

米国型。

ルーツはノーザンダンサー系。

2歳から活躍できる早熟性を伝える。

芝、ダート共に、スピードの持続性で押し切れる馬場が得意。

クロフネはヴァイスリーエージェント系

クロフネ産駒は配合次第で仔に芝適性を伝える。

フレンチデピュティもクロフネも芝のG1獲得馬は牝馬が多いのが特徴。

ストームバード系

米国型。

ルーツはノーザンダンサー系

基本は早熟系の短距離、ダート系である。

新馬戦に強みを出すが古馬混合レースでは芝の中長距離に弱い。

母系の配合次第では芝もOK。

馬格のあるパワフルは馬を産み出しやすい。

ストームバードの仔のジャイアンツコーズウェイは欧州の芝マイル適性が高い血統にシフト。

デインヒル系

欧州型。

スタミナの馬力を伝える種牡馬。

母の父としてパワー強化に貢献。

デインヒル系のハービンジャーは新世代のノーザンダンサー系として期待されている。

サンデーサイレンス系とキングマンボ系の親和性は高い。

デインヒル自体は海外のスプリンター。名馬であり、スピード、馬力とも◎。

フェアリーキング系

欧州型。

サドラーズウェルズの1歳下の全弟。

兄よりも仕上がりが早く、スピードも◎。

日本にも適応能力があり、牝馬やせん馬の活躍馬を多く出す。

ディープインパクトとの配合に抜群の勝ち上がり率を誇る。

ダンチヒ系

米国型。

デインヒルの父。

圧倒的なスピード。

配合相手の長所を引き出す能力に優れている。

代を重ねた父系はマイラーだけでなく、力とスタミナを備えた万能型になっている。

ニジンスキー系

欧州型。

ルーツはノーザンダンサー系。

スタミナと底力はあるが、スピードがやや不足。

ファピアノ系

米国型。

ルーツはミスタープロスペクター系。

米国のクラシック血統らしく、日本でもダートに適性がある。

ダート1400m~1600m向き。

母系によっては芝レースもOK。

繁殖牝馬にファピアノ系の血を持つ馬はサンデーサイレンス系でスピードを強化。

今ではアンブライドルズソング系とエンパイアメーカー系の種牡馬がファピアノ系として台頭。

リファール系

欧州型。

芝でのトップスピードを高めるのに欠かせない血。

サンデーサイレンス系との配合が最も効果的。

ジェンティルドンナもリファール系の血の配合がある。

芝におけるトップスピードの絶対値を高めるポテンシャルがある。

キングヘイロー系

欧州型。

リファール系。

米国的なスピード馬。

伝統的に牝馬のG1馬を多く輩出。

平均1600m 芝、ダートOK。

デピュティミニスター系

米国型。

ルーツはノーザンダンサー系、ヴァイスリージェント系。

2歳戦から活躍できる早熟。

芝、ダートともにスピードの持続力で押し切れる。

先述のクロフネのルーツ。

パワフルなスピード。スタミナはやや劣るか。

ミルリーフ系

欧州型。

ルーツはネヴァーべンド系。

後継馬はいないが、母系に入って底力を伝える。

現在の日本の芝で狙えるのは芝の重馬場と限定的である。

ミルリーフは父のスピードと母系のスタミナを見事に融合させた、欧州三冠馬。

しかし、今の日本の競馬の高速化で父系の影響力はないが母系で保っている。

重馬場、ペースの厳しいレース展開になるほど、底力が生きる。

シンボリクリスエス系

欧州型。

ルーツのロベルト系らしいパワーとスタミナ。

母系のボールドルーラー系から受け継ぐスピードの持続力を仔に伝える。

同じロベルト系ブライアンズタイムよりスピードの持続力があるが、やはりロベルト系らしくタフな重馬場おいて実力を発揮する。

母の父として、2017年の日本ダービーで1着と3着の実績。

母父としての相性も◎。

ボールドルーラー系

米国型。

短距離ダートのスピードの持続力を伝える血統。

産駒はパワータイプの馬が多い。

今、Seattle Slew系がこの特性を受け継ぎ、産駒に伝えている。

ブランドフォード系

欧州型。

ステイヤーの血脈。オールマイティ。

後にノヴェリストを輩出。(父はMonsun)

英国ではクラシック馬を多く輩出。

パーソロン系

欧州型。

早熟のスピード血統。

今の競馬には合わず、父系は残らないが、母系に血は残る。

メジロマックイーンもこの系統。

ナスルーラ系

大系統の1系。

スピードの持続力と仕上がりの早さを後代に伝える。

ナスルーラ系のトニービンは欧州型。

スピードの持続力が強化。しかし、スタミナ寄り。

ブラッシンググルーム系

欧州型。

父は米国型、レッドゴッド。

父は早熟マイラーであったが、ブラッシンググルームの仔は凱旋門賞馬、英ダービー馬、米ダートG1馬など数多くのオールランダーを輩出した。

ブラッシンググルーム系は前向きな気性とスピードをマルチに発揮する。

日本でも、タフな馬場に立ち向かう、前向きな気性とスピードを伝えた。

マキャヴェリアン系

欧州型。

ルーツは大系統のミスタープロスペクター系。

マキャヴェリアンの血は母系に入って芝の高速性を高める。

早熟でマイラーから中距離適性。

ヘイロー系

米国型。

日本競馬を変えた、サンデーサイレンスの親。

スピード血統で気性が激しいが、それが勝負根性へと伝わった。

母系によって適性が変化する。

レイズアネイティブ系

米国型。

スピードの持続性がある。

母系との相性でスタミナタイプも出す。

日本ではアファームドが母系に入って活躍している。

ノーザンテースト系

日本型。

サンデーサイレンスが登場するまではノーザンテーストが日本の競馬を支えていた。

ゴール前での勝負根性、瞬発力があり、芝とダート問わず活躍。

距離も短距離から長距離まで様々。

仕上がりも早く、使うと一転も二転も変化する、成長力もある。

マンハッタンカフェ系

日本型。Tサンデー系。

産駒はスプリンターからステイヤーまで幅広く活躍。

ネアルコ系・ニアークティック系

米国型。

英国名馬、エクリプス系のマイナー系統。

ニアークティックはノーザンダンサーの父である。

スタート時の加速力、スピードや闘争心を仔に伝える。

シャーペンアップ系

欧州型。

大系統ネイティブダンサー系の派生。

シャーペンアップは母系に入ってスタミナと成長力を供給した。

ハンプトン系

欧州型。

母系に残る、ステイヤー血統。

欧米で広がった。

プリンスキロ系

欧州型。

リボー系をルーツにもつ。

リボーは16戦全勝の名馬で、万能型である。

日本でいう、キングカメハメハのイメージ。

 

参考

亀谷敬正. 勝ち馬がわかる血統の教科書,2018年,319p

 

 

 

 

 

 

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